花子さんの通院中の先生は、何が理由でこの奥歯を抜くと説明してくれたのでしょうか。
感染性の病気:大きな虫歯、根尖病巣、歯周病、膿瘍等が原因ですと、抜歯後、感染した不良な歯肉を良く掻爬・洗浄してもらいます。
非感染性の病気:歯が折れたなどの場合も上記に準じますが、抜歯当日にインプラント埋入手術を行うこともあります。
さらに、私ですと、上記いずれの抜歯でも、抜歯窩(骨のくぼみ)の形状を判断するために、様々なサイズメーカーのインプラントの、最終使用ドリル(インプラント埋入手術に際しては、直径の細いものから太いものまでの様々な形状のドリルで骨を削っていきます)を滅菌して用意しておいて、埋入するインプラントのメーカー、太さ、長さ、タイプ等を決定する重要な情報とします。レントゲンやCTの情報と同等以上に大事な情報です。
抜歯窩は断面がインプラントの断面(円形)とは一致しません。奥歯でも手前のほうは、小臼歯といって、根が1本か2本あっても扁平な歯根です。さらに歯の断面は楕円形に近いです。ところが、奥のほうにある大臼歯は、2根から4根あって、大きく根を張っていますので、歯を抜いた後にできる抜歯窩は2股から3つ股に分かれてます。ここに、治療上良い位置に1本のインプラントを埋入するとなると、将来の耐久性や清掃性、さらには、他の歯を失った時の連結など考慮して考えることが必要です。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。